「展示会のタイトルとは?」
「展示会のキャッチコピーはどう考えればいい?」
「来場者の目を引く方法とは?」
展示会を開催および出展する上で、上記のような疑問や悩みを抱えていませんか?
国内では、年間600~1,000件ほどの展示会開催が推定されています。展示会のない産業はないとも言われ、増加傾向にあります。展示会を開催もしくは展示会に出展する際には、展示会のタイトル・テーマが重要であり、商品やサービスが来場予定者にマッチするかどうかが成功の鍵を握ります。
いざ、展示会でブース出展することが決定したら、最も重要になるのが「キャッチコピー」です。キャッチコピーには、「イメージコピー」と「セールスコピー」の2種類があります。来場者の目を引く「キャッチコピー」を打ち出すことで、来場者の足を止め、ブースへの集客数増加を図ることができます。
今回は、展示会を成功させるタイトル・テーマの作り方や、展示会に出展するにあたり重要となる「キャッチコピー」について掘り下げていきます。展示会の出展でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
はじめに、展示会タイトル・テーマの作り方についてみていきましょう。展示会のタイトル・テーマは、参加企業や来場者へのメッセージです。また、イベントスタッフがテーマを共有することで気持ちを1つにするのに役立ちます。
1つずつ詳しくみていきましょう。
まずは「新規顧客獲得」「新商材の宣伝」「会社のイメージアップ」といった、展示会を開催する目的を定めましょう。展示会を成功させる上では、イベントスタッフ全員が企画の目的を意識しておくことが重要です。
新商品の展示会では、新商品を宣伝するのが一般的であり、通常の展示会では既存商品を選ぶのが基本となります。「既に支持されている商品」は「看板商品」であり、自社の強みと言えます。自社開催の場合は、似たような展示会の有無や、他社が近い日程で開催する予定があるかなどもチェックしておきましょう。
開催予定の展示会が、「BtoB」なのか「BtoC」なのかを明確にし、ターゲットを決定しましょう。ターゲットからペルソナ(具体的なユーザー像)設定を行い、「35歳・独身男性・営業マン・趣味はカメラ」のように顧客の人物像を作ることで、タイトル・テーマのイメージが膨らみます。
展示会出展にて目的を達成できたかどうかを確認するために、「集客数」「成約数」「商談数」「名刺獲得数」「売上」など具体的な目標を数値化しておきましょう。
展示会で扱う商品やサービスを決めたら、それらの目的に沿ったタイトル・テーマをキャッチコピー化しましょう。「展示会の内容」「展示会に参加するメリット」「商品やサービスを使うとどうなるのか」といったことが伝わるよう、具体的な文言を選びます。
実際の展示会タイトル例を以下に紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
展示会のタイトルやテーマを考える上で、具体的な文言が思い浮かばない時には、以下の項目を取り入れてみましょう。
1つずつみていきましょう。
商材の価格・競合他社との相違点・自社にしかないものなどを書き出してみましょう。来場者に何を伝えたいのかがはっきりすれば、テーマを見つけやすくなります。
まず顧客の悩みを考えて書き出します。加えて、業界への不満や不便さを考えてみましょう。顧客の悩みに寄り添えば、自ずと、ターゲットに響くタイトルやテーマが思い浮かぶことでしょう。
顧客の悩みを書き出したら、その悩みに対して解決できるポイントをタイトル・テーマに落とし込んでいきます。自社の商品やサービスを利用することで、どのような未来が得られるのかを整理して、短い文章で表現しましょう。
展示会のブース出展で、集客効果が絶大とされるのが「キャッチコピー」です。キャッチコピーとは、伝えたい人へ向けたメッセージであり、人の興味を引く文章のことです。
キャッチコピーには「イメージコピー」と「セールスコピー」の2種類があります。商品やサービスについてではなく、商品や企業に良いイメージや興味を持ってもらえるようなコピーが「イメージコピー」です。また、「イメージコピー」とは反対に、商品やサービスそのものを紹介するものを「セールスコピー」といいます。商品について知ってもらうのが「イメージコピー」で、商品の購入や資料請求といった行動を促すのが「セールスコピー」の役割といえます。
キャッチコピーの作り方ポイントは以下の通りです。
1つずつ紹介します。
響くキャッチコピーを作るためには、ターゲットを明確にする必要があります。万人受けを狙った言葉は、誰にも響かないというのはよくあることです。来場者が、自分ごととして捉えられるような文章を考えて、注目を引きましょう。ex)はじめての展示会
買う・申し込む・行く・電話・紹介といった、実際に来場者にしてほしいことを、そのままストレートに文章にするのも効果的です。ex)展示会で検索、まずは気軽にお問い合わせください!
欲望・快感・解決・知識・好奇心などを刺激する言葉を使って、興味を引きましょう。ex)まだ間に合います、知らないと損する○○
時間・期間・季節などを意識させて、今を逃してはいけないという演出をしましょう。ex)本日限りの〇〇、これで見納め
周囲の人に人気があったり注目されていたりすると支持されやすくなります。売れている・嗜好性・流行といった言葉を使いながら、ターゲットの興味を引きましょう。ex)今売れている〇〇、行列のできる〇〇
五感や体験などから訴え、心を刺激して感情表現を促す方法です。ex)魔法の〇〇、一生に一度の〇〇
数字やデータがあることで信憑性が生まれます。また、内容にも興味をもたれやすくなります。ex)〇〇TOP5、〇%の方が実感!
お得なことには、誰しも少なからず興味を持ちます。安さや付加価値を取り入れてみましょう。ex)特別にご招待、激安!来場者限定〇〇
新しさや歴史・電灯・品質・限定性・希少性など、他の商品やサービスとは違う点を切り取ってみましょう。ex)新〇〇、ロングセラーな〇〇
伝えたいことに優れているという言葉を足して、他の物との比較をすることで特別感を演出できます。ex)前例のない〇〇、安いだけじゃない〇〇
情報量の多い展示会において、来場者の心をつかむキャッチコピーは必須となります。展示会において、キャッチコピーはアイキャッチの要素が強いといえます。アイキャッチとは看板・グラフィック・映像・展示物などを用いて、来場者の目を引くことを意味します。
一目で「何を取り扱っている会社」か「展示製品を使うことで得られるベネフィットは何か」を伝えられるキャッチコピーが求められます。キャッチコピーが目に入った瞬間、来場者は取捨選択をして、立ち寄るブースを決定していきます。
ビジネスの基本は「困りごとの解決」であり、課題解決型のキャッチコピーが有効とされています。来場者が展示会に来場する目的は、「課題を解決したい」「気になる商品がある」といったことが挙げられます。「○○を使えば、○○になる」といった課題解決型のキャッチコピーが来場者の心に刺されば、ブースへの誘導につながります。
展示会におけるキャッチコピーは、数秒のうちに来場者の興味を引き、次のアクションを促すものでなければなりません。展示会のキャッチコピーは、①誰に何を伝えるか②どう伝えるかが重要となります。
展示会キャッチコピー作成の流れは以下の通りです。
1つずつみていきましょう。
まずは、キャッチコピーを作る目的を考えます。キャッチコピーを作る最終的な目的は、「顧客に商品やサービスを購入してもらうこと」です。「キャッチコピーで商品やサービスの認知度を上げたい」と「キャッチコピーで商品やサービスのイメージを変えたい」では、伝えたい人やメッセージが変わってきますよね。目的を明確にしてから、ターゲットを決めていきます。
来場者が自分ごととして捉えられるキャッチコピーにするためには、顧客の立場に立つことが重要です。そのためにも、名前・年齢・性別・ライフスタイル・職業など、具体的な人物(ペルソナ)を設定します。そして、ペルソナが展示会に来場する理由を考え、困りごとを解決する方法をキャッチコピーで提示できれば、あっという間に来場者に刺さるメッセージとなるのです。
自社の商品やサービスを分析し、強みをはっきりさせて他社との差別化を図ることで、来場者の目を引き、ブースへの誘導にもつなげることができます。情報を整理するために、以下の6W2Hをチェックしましょう。
自社の強みの洗い出しができたら、ターゲットが望むことと結びつけます。ここで気をつけるべきポイントは、キャッチコピーで商品やサービスの説明をしないことです。顧客が知りたいのは、商品やサービスの機能面ではなく、購入して得られるベネフィットになります。「購入したら〇〇になった」の部分を表現しましょう。
いますぐ行動する利益と今すぐ行動しない不利益を訴えましょう。このとき、具体的な数字情報を入れることで、信憑性が増します。さらに、専門用語はできるだけ避け、商品の機能面に加えて「○○を使えば○○になる」といったベネフィット(精神的満足)を具体的に表現することで、来場者の足を止められます。
作成したキャッチコピーに物足りなさを感じたら、売れるキーワードを盛り込みましょう。
ここでは、展示会キャッチコピーのおすすめキーワードを紹介します。困ったときや迷ったときはいろいろ試してみましょう。
新常識 | 世界が認める〇〇 |
基準を変える | 〇〇のロングセラー |
一歩先の〇〇 | 〇〇監修 |
進化する〇〇 | 確かな品質 |
新時代の〇〇 | あなただけの〇〇 |
〇〇年もの | 〇〇限定 |
受け継がれた | 幻の〇〇 |
レトロ感 | 実は〇〇 |
〇〇でおなじみの | 〇〇するだけで |
実力のある〇〇 | はじめての〇〇 |
展示会において、他社との差をつけるためにはブースの装飾が重要といわれていますが、キャッチコピーによる集客力の格差が出てしまっているのも事実です。場合によっては、展示物やビジュアルにお金をかけなくても、キャッチコピー1つで来場者の行動を促すことができます。
実際の展示会で、課題解決型のキャッチコピーをうまく提示できているブースは全体の10%であり、会場によっては5%ともいわれています。
キャッチコピーに必要なのは、社員の知恵やアイディアであり、費用はそれほどかかりません。しかし、キャッチコピーを作り込むことで他社と差別化をはかることができ、展示会ブース集客の質・量ともに伸ばせます。このように、キャッチコピーの費用対効果は高く、展示会に関わるスタッフのモチベーション向上にもつながるため、力を入れましょう。
展示会でキャッチコピーが重要な理由については以下の通りです。
展示会の特性を交えながら、1つずつ紹介します。
展示会場内において、来場者はゆっくりと移動しているように見えますが、1つのブースを通過するのに要する時間はほんの数秒です。元々、寄る予定のないブース前を通過した際に、来場者が目線を向けた一瞬で【立ち寄る動機】を提示できるかが勝負となります。ブース内に来場者に刺さるキャッチコピーがなければ、機会を損失してしまうのです。
来場者がブース訪問に使える時間は半日程度で、時間にすると4時間程度となります。展示会来場者は、そもそも訪問予定のブースを決めている可能性が高いです。つまり、自社のブースに立ち寄ってもらうには、短時間で動機付けをする必要があります。ここで、視覚的な情報が凝縮されたキャッチコピーが重宝するのです。
リサーチ目的の来場者(課題が顕在化していないor課題の優先順位が低い)には、「あなたは○○に課題を抱えていますね」のように、課題に気づかせるキャッチコピーが響きます。
来場者は展示会場を移動する中で、多くの情報を得て取捨選択をしています。来場者は自身の課題に答えてくれるブースに立ち寄りたいと考えています。ブースには来てくれたものの、説明を聞いて立ち去ってしまった来場者には、課題解決の提案ができていないことになります。ターゲットに響くキャッチコピーを掲げることで、出会うべき顧客と出会える可能性が高まります。
オンラインの展示会では、たくさん集客しても来場者全てに対応できるケースが多くなりますが、オフラインでは接客できる人数に限度があります。見込み客からはほど遠い「まだまだ客」を集客し「いますぐ客」を接客できないという事態が起こりうるのです。展示会では、来場者を見込み客として獲得することと、スタッフによる接客はセットで行うことに意味があります。
「まだまだ客」を接客中に、「いますぐ客」がその場を去ってしまった場合、この「いますぐ客」が後日問い合わせてくれる可能性は極めて低くなります。興味を持って持ち帰った資料1つとっても、接客を受けず名刺交換をしていない相手の資料は処分対象となりやすいのです。万人受けする集客は、機会損失につながるリスクがあることを覚えておきましょう。下手な集客にて良質な顧客を逃すのはもったいないため、ターゲットを明確にしたアプローチを心がけましょう。
最近では、展示会のブース装飾を、企画の段階から依頼可能な業者が増えてきています。アイキャッチとして、展示パネル・製品説明パネルを使用する際は、なるべく大きめの文字を使い、数メートル先からでも読めるようにしましょう。
来場者は、各ブースに立ち寄る時間はなく、立ち止まって細かい説明を読んでいる暇もありません。来場者に有益性、必要とするもの、瞬時に判断できる情報を設置して足を止めてもらうには、スタッフ間の情報共有だけでなく、プロに任せるのも1つの方法です。
今回は、展示会のタイトル・テーマ決めのやり方や、展示会出展ブースのキャッチコピーの作り方についてまとめてみました。展示会を開催もしくは、展示会に出展する場合、いずれにしても重要なのは来場者の目的であることがわかりました。
来場者は、目的をもって展示会に来場します。そして、全てのブースを見て回る時間がない中、目を引くブースへと立ち寄るのが一般的です。展示会に出展する際には、渾身のキャッチフレーズで注目を集めて自社ブースへと誘導し、展示会出展の効果を最大まで引き上げてみてはいかがでしょうか。
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