新製品の紹介や、情報収集の場である展示会は、ビジネスをするうえで重要なイベントのひとつです。
一方で、来場者は各企業からの案内や展示会のホームページなどを見て、あらかじめチェックする展示ブースなどは事前に決めている場合がほとんどのはず。
そんな中で、展示会に多くの来場者を呼び込み、自社のブースに集客しないといけません。展示会当日の準備も大切ですが、事前の案内状を出す時点でその勝負は始まっています。
しかし、案内状にどのような内容を記載すればいいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、展示会の招待状・案内状に書くべき内容や注意点などを解説します。
実際に使える文例も記載しますので、自社・自身の用途に合わせて変更し、利用してみてください。
送付するタイミングや、魅力的な展示内容のアピールなど、案内状ひとつでも押さえておくべきポイントは多くあります。
初めて展示会に案内状を出すという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
展示会の案内状・招待状を送るための目的は、簡単に言えば「自社のブースに多くの顧客・見込み客を呼び込むことです。
展示会の訪問客は、事前の告知やホームページ情報などを参考に、自身が訪れるブースをあらかじめ決めている場合がほとんどです。
そのため、事前の訪問予定ブースの中に自社を加えてもらうには、案内状を出す時点で魅力をアピールし、「このブースを見てみたい」「商品がどんなものなのか知りたい」と思ってもらう必要があります。
加えて、元々自社に興味を持っている見込み客に対しても、実際に商品を購入したり契約をして頂くなど、顧客になってもらう絶好の機会です。しかし、一般的には、知名度の高い企業ブースに人が集まりがちなのが展示会の特徴。
誰もが知る知名度の高い企業と言い切れない場合は、顧客・見込み客を呼び込むために案内状の内容を工夫しないといけないでしょう。
展示会に出展する目的やメリットは以下のような内容です。
【目的】
【メリット】
展示会にはIT・マーケティング・各種製品など、特定のジャンルに感心を持つ層が集まることになります。
分かりやすい例で言えば「フィットネス器具関連の展示会」であれば、フィットネスジムを運営する企業や、各種メーカーが集まることになります。
そこに来る顧客は当然フィットネスに感心を持っているわけなので、紹介した商品やサービスが実際の取引に繋がる可能性は、不特定多数に向けてリーチするよりもぐっと上がるはずです。
一方で、似たようなジャンルの企業が集まるので、その中で魅力をアピールできなければ自社のサービスが埋もれてしまう可能性もあります。
まずはブースに呼び込むことが重要なので、案内状・招待状を出すところから勝負は始まっているのです。
補足として、招待状と案内状の違いは以下の通りです。
案内状:興味を持っていそうな多数の見込み客を対象に自社ブースに来てもらうことを目的として出すもの。
招待状:既に関係性のある顧客に対して出すもの。
案内状はマーケティング的な側面が強く、展示会に感心を持ちそうな層にリーチしていく必要はありますが、どちらかと言えばブースの案内やアピールを重視して、展示会の自社ブースに来てもらうために出します。
ブースへの来場者に自社や製品・サービスの情報を提供するプロモーション活動のために利用するのが一般的です。
一方で、招待状は既にそれなりの関係性が構築できている顧客に対して、「ぜひ来ていただけませんか」と良好な関係を維持するために出します。
チケットが入手しにくい展示会など、うまく活用すれば顧客との信頼関係をより強固なものにすることができます。
ただし、あまり関係性の無い顧客に招待状を出しても不信感を持たれることになるので注意しましょう。案内状や招待状を出す際は、自社と顧客の関係性に着目して選択するのがポイントです。
では、実際に案内状を出すにはどの程度の費用が必要なのでしょうか。
かかる費用は以下の2点です。
自社で印刷するか、業者に依頼するかで金額は大きく変わってきます。
業者はピンからキリまでありますが、一般的な封筒に入った案内状だと200枚で6,000円程度の費用がかかると考えて下さい。
官製はがきだと200枚で18,000円程度かかります。これに加えて、送料がかかるので、1通当たり63円~84円ほどになります。
概ね200枚で30,000円程度の料金がかかる計算です。
ただし、往復はがきにしたり、A4三つ折りなど形式によって金額は大きく変わるので、あくまで目安としてとらえてください。
自社で印刷から発送まで行えばある程度の節約されますが、印刷業者に頼むと発送まで行ってくれるので負担が減ります。
人件費などのコストまで総合的に考えて作成方法を選ぶとよいでしょう。
なお、案内状と招待状で費用感に大きく差が出るわけではありません。
展示会に出展するには案内状にかかる料金以外だと以下のようなものがかかります。
ブースは大体3m四方くらいからで、会場によって異なります。
概ね1つのブースで30万円程度ですが、さらにブースを装飾する費用や運搬費などがこれに上乗せされることに。
当日アルバイトを雇うなら、その分の人件費や交通費もかかるので、出展料以外はどれだけ内製化できるかで金額が変動します。
ただ、内製化するにも人件費はかかりますので、他業務との兼ね合いなど総合的なコスパを考えながら検討するといいでしょう。
展示会の案内状には、主に以下のような内容を記載します。
上記の内容がしっかりと明記されていないと、来場者の訪問意欲が無くなったり、来る途中に迷ってしまうこともあるかもしれません。
いずれも必須事項と考えて記載するようにしましょう。
案内状の基本構成は以下の通りです。
内容によって変わることはありますが、下記構成で書いていくと手堅い案内状が作成できます。
展示会の案内状・招待状を送付する際のマナーや注意点などを記載します。
主に以下のような内容に注意しましょう。
前述の基本構成と、上記のポイントを押さえて書くことで相手にきっちりとした印象を与え、来場してもらえることにも繋がります。
ひとつずつ解説しますので、注意点を知りたい方は要チェックです。
案内状とは言え、社外に出すものであればそれはビジネス文書です。
マナーとしてビジネス文書のフォーマットで記載することも重要ですが、加えてビジネス文書の様式に則って書くことで相手も直感的に内容を理解しやすくなります。
最初に発行年月日や差出人、宛先などを記載して、時候の挨拶などを添えて本文へ移るのが基本様式となります。
どのビジネス文書も基本的には上記のような構成なので、見た側も見慣れた様式で、内容と日時をすぐに把握できるというのがメリットです。
また、ビジネス文書なので当然文書としてのマナーは必須となります。「拝啓と敬具」「謹啓と謹白」の使い分けなど、礼儀や誤字などに注意しながら作成しましょう。
展示会は、とにかく人に来てもらわなければ始まらないので、日時や開催場所、ブースの位置などはできるだけ分かりやすく詳細に記載しましょう。
会場の場所だけでなく、最寄駅からのおおよその時間や、会場内に入ってから自社ブースの位置も重要です。
別途会場の案内図を同梱するなどして、来場者がスムーズに到着できるような工夫をしてみましょう。
展示会全体のパンフレットなどがある場合は同梱すると親切です。
さらに、展示会でサービス・商品の体験会や、イベント時間が設定されている場合などは、そのスケジュールも必ず記載しましょう。
展示会に来てもらうためには、来てもらった際に来場者が得られる具体的なメリットを記載することも重要です。
例えば、以下のようなメリットがあることを案内状に記載しましょう
毎年恒例のように展示会を開催している企業は、毎回同じようなことをやらないように気をつけましょう。いつも同じ内容だと飽きてしまって「今回は見送り」と来場者を逃すかもしれません。
展示内容がマンネリ化していないか、会場を訪れるメリットをちゃんと記載しているかどうかがポイントです。
展示会の案内状・招待状は2週間~1ヶ月前を目安に送るようにしましょう。
基本的には早く送ったほうが、相手のスケジュールが埋まる前に届けられるのでオススメですが、数ヶ月などあまりにも早く送りすぎても、相手側もスケジュールが予測できずに見送られる可能性が高いです。
大抵の場合、展示会は重要度が高くないとみなされがちなので、来場を促すためにも相手の状況に配慮しながら適切なタイミングで送付するようにしましょう。
また、役職が高い相手はスケジュールが早く埋まりがちです。既に関係性のある相手であれば、事前に個別で連絡をとって招待するなど適宜対応していくことが必要となります。
展示会の案内状は、主に以下の3つのタイプから選ぶのが一般的です。
書ける文章量が変わってきますので、用途や文少量に合わせて選択するようにしましょう。
最もオススメなのは「封筒入りタイプ」です。必要な情報を記載しやすく、予算もリーズナブルなのがメリットです。
展示会の案内状や招待状には、封筒入りタイプがオススメです。
特に、ビジネスの場合は二つ折を使用するようにしましょう。
基本構成を押さえた文章を記載できる十分なスペースがありますし、会場の詳細が載っている案内図などの同梱物も入れられます。
返信用はがきを入れる場合も、このタイプを使うのがよいでしょう。
封緘用のシールなどを使用して封止めをすると、高級感も出て良い印象を与えられます。
はがきタイプは、多くの情報量を入れる必要が無い場合や、比較的カジュアルな案内状を作成する場合にオススメです。
官製はがきは予算が封筒入りよりもかかることがありますが、大量に印刷しやすい点がメリットとなります。
往復はがきなどもあるので、ある程度は用途に合わせて選択することも可能です。
詳細な地図などは記載しにくいので、場所が駅前や大規模会場など分かりやすい場合に使いましょう。
A4三つ折りタイプは、レイアウトが自由な点や、多くの文章量にも対応できる点がメリットです。
挨拶状だと多くの場合は横書きですが、縦書きでも送ることは可能です。
詳細なスケジュールや資料送付などにも適しており、2枚以上の綴りで出す場合も送りやすいのが特徴です。
単純な構成の文書でなく、レイアウトを変えなければならない際に利用しましょう。
案内状の作成から送付までの基本的な手順は下記の通りです。
内製化する場合は一部の手順が省略できるので、参考にしてください。
以上で案内状・招待状の送付が完了です。
遅くても、展示会開催の2週間前までには全て送り切るようにしましょう。
それ以上遅くなると、相手のスケジュールが埋まるだけでなく、何らかのトラブルがあった際、案内状が開催日までに届かない可能性もあります。
ここまでに解説した基本構成・注意点などを元に、実際の案内状の例を記載します。
基本的なフォーマットとして、展示内容に合わせて適宜文章を変えるなどして利用してください。
令和〇〇年〇月〇日
お客様各位
株式会社〇〇〇〇
代表取締役 〇〇〇〇
展示会のご案内
拝啓 ○○の候 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、このたび弊社では、国内最大級の展示会「〇〇」に新商品「〇〇」を出展することとなりました。
弊社ブースでは実際の商品を手にとって体験していただけます。
皆さまお誘い合わせの上、ぜひご来場いただきますようよろしくお願いいたします。
敬具
記
日時:令和〇年〇月〇日(〇) 10:00-18:00
会場:(住所、会場名などを記載)
アクセス:(最寄り駅、道順などを記載)
以上
同封書類 会場案内図 1部
この記事では、展示会の案内状・招待状を送る上でのポイントや注意点について解説しました。
来場者にどのようにして展示会に来てもらうのかが、1番大事なポイントになります。
そのため、実際の展示内容だけでなく、事前告知のタイミングやスムーズに来場できる情報を相手に与えることが重要です。
初めて展示会の案内状を出すという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
展示会の魅力・メリットをしっかり書いて、行くかどうか迷っている相手の背中を押してあげてください。わかりやすく魅力的な案内状を届けることが来場へと繋がっていくことでしょう。
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