看護師転職を成功させるポイントを紹介!転職におすすめの時期も解説
看護師は、他の職業に比べても転職が多い仕事と言われています。これを読んでいる方のなかにも転職したいと考えている看護師の方がいるのではないでしょうか。
「看護師が転職するなら何年目が良い?」
「看護師から転職するならどんな仕事がある?」
「看護師におすすめの転職サイトが知りたい!」
など、さまざまな疑問や不安を抱き、悩みを抱えている方も多いでしょう。
そんな転職に悩んでいる看護師の方に向けて、この記事では
- 看護師転職におすすめのタイミング
- 看護師の転職を成功させるためのポイント
- 看護師の転職方法
- 看護師転職に強い転職エージェント
など、看護師転職についてたっぷり解説していきます。
看護師転職サイトは使わない方がいい、と言われることもあるようですが、それは選び方に問題がありそうです。看護師転職サイトの選び方も非常に重要です。
看護師の経験年数別に転職するメリット・デメリットもお伝えするので、新人看護師からベテラン看護師まで、転職やキャリアに迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
看護師が転職するよくある7つの理由!職場を変えたくなる原因を解説
何が原因で転職するかは人それぞれですが、看護師という職業ならではの理由から転職に至るケースは多いです。
そこでまずは、看護師が転職する理由として多い事柄を7つ紹介します。自分自身の状況に合うものがあるか、チェックしてみてください。
仕事の量や質に対して不満がある
一日中立ちっぱなしだったり患者さんの対応に追われたりと、看護師業務は非常に過酷です。
そのため、今いる職場の仕事の量や質に不満を感じた場合、「辞めたい」「転職したい」と考えるのも無理はありません。
【仕事の量や質に対する不満の事例】
- 残業が当たり前になっている
- 一人あたりの業務量が多すぎる
- 事務作業に追われて一人ひとりの患者に向き合えない
- 患者の家族からのクレームに対応するのが辛い
実際に、「日本医療労働組合連合会」による「2017年介護職員の労働実態調査」の結果では、看護師の強いストレスの要因のうち、「仕事の量の問題」と「仕事の質の問題」が高い割合を占めています。
不満・悩み・ストレスの要因 | 割合 |
---|---|
仕事の量の問題 | 51.9% |
仕事の質の問題 | 30.8% |
職場の人間関係 | 26.1% |
仕事への適性の問題 | 17.9% |
勤務先の将来性の問題 | 11.9% |
担当業務以外の仕事に時間がかかったり自分の仕事が終わっているのにあれこれ仕事を振られたりすれば、不満もどんどん溜まっていきます。
そうした状態が続けば、「もっと良い職場があるのでは」「適正な業務量の職場に転職したい」という気持ちが強くなるのも当然でしょう。
給料が安い
給与面への不満も、転職を決断する原因のひとつになります。
以下のように、看護師の仕事は肉体的・精神的にも大きな負担がかかる仕事ですが、だからこそ「激務なのに給料が低い」と感じる看護師は少なくありません。
【心身への負担がかかる看護師の仕事】
- ナースコールの対応や患者さんの介助など体を酷使する場面が多い
- 命を預かっているという責任がある
- 感染リスクなどの危険がある
- 業務時間外の勉強会や研修会など常に勉強が必要
また、「頑張っても昇給が見込めない」「何年勤務しても給料が上がらない」といった不満から給与アップを目指して転職をする看護師も多いです。
特に、一定の看護師経験を積んだ30代・40代の場合、責任ある仕事や新人看護師の教育などを任されることも増えます。
そんな状況で労働の対価である給料が満足のいく額でなければ、より好条件で働ける職場を探したくなるのも仕方のないことと言えるでしょう。
夜勤が辛い・体力が持たない
夜勤がある病棟や常に人手不足の職場に勤務している看護師の場合、「夜勤が辛い」「体力が持たない」という理由で転職に踏み切る人もいます。
夜勤をこなしながらの仕事は、以下のように心身に大きな負担がかかります。
【夜勤がきつい理由】
- 日勤と夜勤のくり返しで生活リズムが安定しない
- 休憩中や仮眠を十分に取れず体力が続かない
- 少人数体制で一人ひとりにかかる責任が大きい
- 夜勤であることに加えて仕事量が多く残業になりやすい
若手看護師であれば若さや体力で乗り切れることもあるでしょう。
しかし、年齢を重ねていくうちに、夜勤や連勤に対する辛さも増していきます。
体力面が追い付かなくなれば、無理なく働ける環境を求めて転職をするというのも選択肢のひとつです。
職場の人間関係が良くない
職場の人間関係にストレスを感じて転職を考える看護師も多いです。
【看護師が抱える人間関係の悩みの事例】
- 看護師同士の仲が悪い
- 派閥があって仕事がしづらい
- 先輩看護師やプリセプターからきつい叱責ばかり受けている
- 若手看護師が自分しかいなくて悩みや不安を相談しづらい
医療の現場では、医師や看護師など多数の医療従事者と協力して業務を進めていくので、職場の人間関係は仕事へのモチベーションや働きやすさに直結します。
そんな環境で、人間関係にストレスを感じてしまったら、職場を変えたいと思うのも当然の流れと言えるでしょう。
また、看護師の職場は女性が多く、女性同士の人間関係の悩みを抱えやすいというのも要因のひとつです。
大きなトラブルがきっかけとなって転職を考えるというよりも、日々のストレスが積み重なった結果、精神的に限界を感じて転職に踏み切るケースが多いようです。
ライフスタイルの変化
看護師という職業は女性の割合が多く、結婚・出産・育児といったライフスタイルの変化によって転職をする人も少なくありません。
出産休暇や育児休暇など休暇制度を導入している職場であれば、一時的に仕事を休むことができますが、そうでない場合は一旦退職という選択を取らざるを得ません。
産休・育休制度や復職制度があったとしても、「仕事と育児の両立のためにパートで働ける職場に移りたい」「子供がいて夜勤はできないから日勤のみで働きたい」といった希望から退職や転職に至る看護師も多いです。
また、結婚や配偶者の転勤によって居住地が変わることで、今の職場に勤務し続けることが困難になり転職をすることもあります。
休みが取りづらい
「希望休がなかなか通らない」「有給休暇を取りたいが先輩看護師に反感を買いそうで言い出せない」「ひとりが連休を取ると誰かが連勤になってしまう」など、思うように休みが取れないことへの不満から転職を考える人もいます。
有給休暇の取得は労働者の権利ですが、看護業界全体が慢性的な人手不足に見舞われているということもあり、休みをなかなか申し出ることができずにストレスを感じている看護師は多いです。
家庭を持っている看護師の場合、思うように休みが取れないということはワークライフバランスに大きく影響します。家族旅行や学校行事のように日程が決まっていれば事前に申し出ることもできますが、子供の体調不良など「急用なのに休めない」ということが度重なれば、今の労働環境に働きづらさを感じてしまうのも納得です。
また、「友人は有給を使って旅行を楽しんでいるのに、自分は仕事ばかりでプライベートの時間が持てない…」と周りと比べて不満を抱く若手看護師もいます。
家庭との両立に苦労したりプライベートを楽しめない状態が続いたりすれば、別の職場への転職を考えたくなるのも仕方のないことと言えるでしょう。
また「有給を申請したのに却下される」という場合は、労働基準法違反である可能性もあります。
有給休暇は職員の希望期日に取得させることが原則で、取得制限(申請却下)は労働基準法違反です。
引用元:日本看護協会
職場での対応が度を超えてひどいようなら、労働基準監督署などに相談してみるのもありです。
責任やプレッシャーが重い
看護師は、医療現場にあるさまざまな職種のなかでも特に患者との距離が近い立場です。
小さなミスが大きな事故につながってしまう危険性があり、患者の健康や命に大きく関わっていることから、常に気を抜くことができません。
業務の過酷さや忙しさに加えて、そうした責任やプレッシャーが精神的な負担になってしまい、なかには心身に不調をきたしてしまう看護師もいます。
医療ミスや事故と背中合わせの環境で、緊張感を持って仕事にあたらなければならない看護師という仕事自体に辛さを感じるようになると、「看護師を辞めて違う仕事がしたい」「病院以外の職場で看護師の経験を活かしたい」と、新たな働き方を模索するようになるのも当然の流れと言えるでしょう。
勤続年数5年未満で退職・転職を考える看護師はおよそ4割!
「日本医療労働組合連合会」の「2017年介護職員の労働実態調査」によると、勤続年数について「5年未満」と答えた看護職員はおよそ4割にも上ることが分かっています。
【看護師の勤続年数】
勤続年数 | 割合 |
---|---|
1年未満 | 4.7% |
1~3年未満 | 17.3% |
3~5年未満 | 13.1% |
看護師は体力を使う仕事であると同時に、人の命や健康にも大きく関わる仕事です。肉体的・精神的な負担が大きいことも、看護師が早期に転職を考える要因のひとつでしょう。
看護師歴別、転職のメリット・デメリット!転職時期を見極めよう
看護師に限ったことではありませんが、転職にはこれまでの経験やスキルが大きく影響します。
そのため、「看護師になって1年も経っていないけれど転職できる?」「看護師になって何年目に転職するのが有利?」など、転職の時期を迷っている方も多いでしょう。
そこでここからは、「1年目」「2年目」「3年目」「4~5年目」と看護師の経験年数を4つに分けて、それぞれの時期に転職するメリット・デメリットを解説します。
看護師1年目で転職するメリット・デメリット
【メリット】
- 第二新卒として転職できる可能性が高い
- 新人看護師として扱われるので質問しやすい
看護師一年目という早い段階での転職では、「第二新卒」という扱いで入職するケースが多いです。
社会人としての常識やマナー、医療行為の基本などは最初に入職した病院やクリニックで身に付けていると見なされるので、「教育しやすい」「教育の負担が少ない」という理由から歓迎される場合があります。
また、看護師歴が一年にも満たないとなると、未経験の業務がたくさんあっても不思議ではありません。新人看護師として扱われるので、分からないことがあった際にも先輩看護師に質問しやすいでしょう。
【デメリット】
- 転職先の選択肢が狭まる可能性がある
- 「すぐに退職するのではないか」と懸念される
「経験者」として見なされないことで、知識やスキルが求められる職場への転職が難しいというデメリットもあります。
転職先の選択肢が狭まってしまうことは覚悟しておいたほうが良いでしょう。
また、入職一年未満での早期退職という点に対して、「またすぐに辞めてしまうかもしれない」「逃げ癖がある人なのでは」などと、なかには懸念を抱く採用担当者もいます。
その場合は、選考の際に相手が抱く懸念を払しょくするような自己アピールが必要です。
看護師2年目で転職するメリット・デメリット
【メリット】
- 成長性や体力など若手ならではのポテンシャルが評価につながる
- 新しい分野への挑戦ができる
看護師二年目でもまだ経歴としては浅いことから、「新人看護師」「若手看護師」と見なされることが多いです。
成長性や体力など若手ならではのポテンシャルの高さが評価につながって採用に至るケースも少なくありません。
また、未経験の分野や興味のある分野への早期転職が可能な点もメリットのひとつです。
看護師として働くなかで「今後進んでいきたい分野」「本当に興味が持てる仕事」が明らかになった方も多いと思います。その場合でも、20代や若手世代であればキャリアチェンジが十分に可能です。
【デメリット】
- 新人看護師と同等の扱いを受けることが多い
- 即戦力が必要な職場への転職が難しい
看護師二年目で転職するデメリットとしては、二年目で新たな職場へ移ることで新人という立場に逆戻りしてしまうことです。
一年目の職場でせっかく覚えたやり方も、職場が変わればまた一から覚え直さなければいけません。
独自のルールを設けている職場もあるので、場合によってはさまざまな点においての学び直しが必要になることは理解しておいたほうが良いでしょう。
また、一年程度の看護師経験では「即戦力」に見なしてもらえないことも多いので、実務経験や専門スキルが求められる職場への転職は難しいでしょう。
看護師3年目で転職するメリット・デメリット
【メリット】
- よほど専門性が高い職場でなければ戦力として見なしてもらえる
- スキルアップ、キャリアアップを目指した転職が可能になる
看護師三年目で転職するメリットとしては、看護師一年目、二年目に比べて転職先の選択肢が広がるという点です。
基本的なスキルや知識は一通り身についていると判断されるので、よほど専門性が高い病院やクリニックでなければ即戦力として採用される可能性が高いです。
それまでにはなかった職場が選択肢に含まれることで、スキルアップ、キャリアアップなどを視野に入れた転職もできるでしょう。
【デメリット】
- 奨学金の返金が必要になるケースがある
- 指導の能力やマネジメントスキルが必要な職場・立場への転職が難しい
看護師三年目の時点では、プリセプターやチームリーダーの経験がない方も多いです。そのため、後輩の育成やチームの指導に適した人材を求める職場においては、転職活動で不利になってしまう可能性あります。
また、注意すべき点としては、奨学金制度を利用している場合、返金が必要になるケースがあるということです。
後から金銭的に困ることがないよう、転職する前に自信が借りている奨学金の条件をしっかり確認しておくことをおすすめします。
看護師4~5年目で転職するメリット・デメリット
【メリット】
- 経験やスキルによっては管理職候補になれる可能性がある
- 転職によって年収アップが期待できる
看護師歴も4~5年目になれば、新しい職場でも即戦力として活躍できる実務経験やスキルを身に付けています。そのため、新人や後輩の教育係やチームリーダー、職場によっては管理職候補として迎えられる場合もあるでしょう。
また、安心して仕事を任せられる経験者と判断される機会も多く、幅広い選択肢のなかから転職先を探すことができるので、転職によって年収アップを実現する方も少なくありません。
【デメリット】
- 前職よりも仕事量が増える可能性がある
- 未経験の業務を任される場合がある
懸念点としては、十分な経験があると見なされることで、看護業務から新人育成まで、さまざまな業務を割り振られやすくなるということがあげられます。
「給与や待遇は良くなったが前の職場よりも忙しくなった」「年収はアップしたが責任も増した」というように、仕事量や責任が増してしまうケースも考えられるでしょう。
経験者に対する期待の高さから、未経験の業務や苦手な分野の仕事を任せられてしまう可能性もゼロではありません。
ハラスメントや体調の異変…すぐに転職したほうが良いケースもある
転職を成功させるには急いだり慌てたりせずに慎重に進めることが大切ですが、なかには今すぐにでも転職したほうが良い場合もあります。
ここでは2つのケースを紹介するので、勤務している職場や自分自身の状況に当てはまっていないか、確認してみてください。
ケース1.労働基準法違反やハラスメントが横行している
残業代が支払われなかったり職場でハラスメントが横行していたりする場合は、なるべく早く転職を視野に入れて行動することをおすすめします。
労働基準法違反やハラスメントの問題は職場全体の問題であり、社員ひとりの努力で解決するほど簡単ではありません。
上司に相談するなどして状況が改善すれば良いですが、多くの場合、解決には時間も労力も要します。良かれと思って行った行動によって状況が悪化することもあり、精神的な負担が増してしまうリスクもあります。
職場に問題があるときは、無理に留まらずそこから離れることも考えましょう。
「自分には合わない職場だった」と割り切ることもときには必要です。
また労働基準監督署で、違反やハラスメントの相談窓口もありますから、相談してみるのもいいでしょう。
ケース2.心身に不調をきたしている
過酷な労働や精神的なストレスが原因で、既に心身に不調をきたしている場合は要注意です。
心身からのSOSを無視して働き続けると、体調がさらに悪化する恐れがあります。
なかには、うつ病、適応障害、自律神経失調症などの精神疾患につながることもあるので、できるだけ早く退職や転職を検討したほうが良いでしょう。
以下は、厚生労働省が示しているストレスサインです。自分自身の状態で当てはまっている項目がないか、確認してみてください。
体のサイン | ・めまいや耳鳴りの症状が出ている ・寝つきが悪くなった、または夜中に何度も目が覚める ・食欲がなくなった、または食べ過ぎてしまう ・頭痛、腹痛、腰痛など体に痛みが出ている ・下痢や便秘をしやすい |
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心のサイン | ・気持ちの落ち込みがひどい ・不安感や緊張感がある ・イライラしやすくなった ・理由もなく涙が出る ・人に会いたくない |
看護師が転職を成功させるために知っておきたい5つのポイント!
転職活動はやみくもに行うよりも、いくつかのポイントを押さえて進めていくことで成功に近づけることができます。そこで続いては、看護師転職のポイントを5つ紹介していきます。
ポイント1.転職の目的と転職先に求める条件を明確にする
転職活動を始める前に、「なぜ転職するのか」「転職によって何を実現したいのか」を明確にしましょう。
転職の目的とは、例えば以下のような内容です。
【事例】
- 仕事と家庭の両立がしやすい環境・雇用形態で働きたい
- 今後のライフステージの変化を考えて産休や育休制度のある病院に移りたい
- スキルアップのためにより専門性の高い病院に勤めたい
- 今の職場の給料が安いので転職して年収アップしたい
- 夜勤が辛く体力が持たないので日勤のみで働きたい
転職の目的は人それぞれですが、ひとつだけとは限りません。さまざまな要因が重なった結果、転職に至っているケースも多いので、「どんな職場で働きたいか」「どんな働き方をしたいのか」など、自分自身の気持ちをしっかり整理しておきましょう。
合わせて、「給料」「職種」「施設形態」「雇用形態」「勤務地」「休日」「研修制度」など、転職先に求める条件を明らかにして、そのうえで優先順位をつけておきます。
特に重視するポイントを決めておけば、希望の働き方ができる職場かどうか判断材料になります。自分にとっての最適な職場も見つけやすくなるでしょう。
ポイント2.徹底的な情報収集をする
転職を成功させるには、入念な情報収集も欠かせません。
以下のように、いろいろな方法でできるだけ多くの職場情報を収集しましょう。
【職場情報を収集する方法】
- 病院や施設の公式ホームページをしっかり読む
- 知り合いに実際の雰囲気や評判を聞いてみる
- 口コミサイトで現職員や元職員の評判をチェックする
- 転職エージェントを利用する
公式ホームページには、「運営方針・理念」「医療を提供するうえで大切にしていること」「現場で働く看護師の声」「採用情報」などが掲載されています。
病院や施設の特徴を知るうえで欠かせない重要な情報だけでなく、実際に現場で働いている職員のリアルな様子を掲載している場合も多いので、必ずチェックしておきましょう。
また、知人や口コミサイトで確認できる情報に限りがある場合は、転職エージェントに登録してみるのもおすすめです。
看護師の人数や年齢層、院内の雰囲気、休みの取りやすさ、看護師長の人柄など求人票には載らない情報を応募前に入手できれば、転職後のミスマッチも防げるでしょう。
ポイント3.いろいろな職場を比較検討する
「どうしてもこの病院に転職したい」という場合を除いて、応募先や転職先についてはできるだけ多くの職場を比較検討するようにしましょう。
早い段階でひとつの病院に絞って応募や選考を進めてしまうと、「自分に合わない」「条件が良くなかった」という場合に、転職活動が振り出しに戻ってしまう可能性があります。
また、複数の病院に応募して面接や見学などを進めていけば、「もっとも自分に合っている病院はどこか」ということの判断がしやすくなるでしょう。
具体的なやり方としては、まず、あらかじめ明確にした希望条件の優先順位を基準として、条件に合う病院を複数ピックアップして比較します。そのうえで、「絶対に譲れない条件」「こだわりたいポイント」を満たしている職場になるべく同じタイミングで応募します。
もちろん、選択肢を広げすぎる必要はありません。
ただ、選択肢は少ないより多いほうがより希望に近い職場が見つけやすくなるのも事実です。視野を狭めすぎずに、ぜひいろいろな病院へ応募してみましょう。
ポイント4.職場見学で実際の雰囲気を確かめる
公式ホームページや求人情報だけでは確認できる情報にも限りがあります。
そこでおすすめなのが、職場見学です。
職場見学では、以下のような点をチェックしてみましょう。
【職場見学で確認するべきポイント】
- 看護師の人数や年齢層
- 仕事中の看護師の忙しさや表情
- 職場全体に掃除が行き届いているか
職場見学を受け入れているところも多いので、興味のある職場を見つけた際にはぜひ積極的に申し込んでみましょう。
ポイント5.選考の準備をしっかり行う
内定獲得のために欠かせないのが、履歴書の作成や面接対策など選考準備を入念に行うことです。
履歴書や職務経歴書の作成では、これまで積んできた実績や身に付けてきたスキルといった、自分自身の強みを効果的にアピールする必要があります。
同時に、その内容が応募先の求める看護師像にマッチしていることも重要です。
事前に徹底的な自己分析を行ったうえで、応募先に「採用したい」「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるような書類作成を心がけましょう。
また、質問への回答や模擬面接などの面接対策も同時に進めていきましょう。
以下に、看護師転職の面接でよくある質問の一例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【面接でよくある質問の事例】
- 自分自身の性格・長所や短所・強み
- 志望動機
- 転職の理由
- 看護師として大切にしていること
- インシデントの経験
- 患者さんとのエピソードで心に残っていること
- キャリアプラン
応募先の理念・方針・特徴をしっかりと頭に入れたうえで志望動機を回答すると熱意が伝わりやすくなります。
以下に、面接の服装や身だしなみのポイントを紹介します。
服装 | 上下セットのスーツがベストです。白いインナーを合わせることで清潔で爽やかな印象を与えられます。 |
---|---|
化粧 | 清潔感を心掛けて、濃い色、ラメ、強すぎるツヤは避け控えめに施しましょう。 |
髪色 | 派手な髪色や明るすぎる髪色は避けましょう。髪が長い方はひとつにまとめるなどして、なるべく顔にかからないようにしましょう。化粧同様、ヘアスタイルも清潔感第一を意識してください。 |
看護師の転職方法を紹介!注意点も知ったうえで転職方法を選ぼう
「転職したいけど、どんな方法を選べばいい?」「転職サイトを使わないほうが良いって聞くけど本当?」など転職活動のやり方に悩んでいる看護師も少なくないでしょう。
ここからは、看護師転職におすすめの方法を5つ紹介します。
方法1.転職サイトを利用する
看護師の転職方法として多いのが、転職サイトを通じて応募する方法です。
転職サイトを利用する大きなメリットは、豊富な求人情報を気軽に閲覧し自由に応募できる点です。
また、ネット環境さえあれば、いつでもどこでも好みの条件を指定して希望の求人を絞り込んで転職先を探せます。
こうしたことから転職サイトを利用した転職方法は、自分で転職先を探したい人やマイペースに転職活動をしたい人におすすめの方法と言えるでしょう。
方法2.転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用した転職方法も、看護師の転職におすすめの方法です。
転職サイトとは違って、転職エージェントに登録すると、求職者一人ひとりに専任のキャリアアドバイザーが付きます。
転職先に求める条件などをヒアリングしたうえで、希望条件にマッチした求人を紹介してくれるので、自分自身で求人を探す手間が省けます。
応募書類の添削や面接対策をはじめ、転職やキャリアに関する相談にも乗ってもらえるので、初めての転職や転職に不安を感じている方も安心して転職活動に臨めるでしょう。
デメリットは、転職エージェントによって求人やサポートの質が異なるという点です。
時間をかけてカウンセリングを行うサービスもあれば、スピード重視でとにかくたくさんの求人紹介をするサービスもあります。
転職エージェント選びを失敗しないためには、転職エージェントの特徴や強みを確認したうえで登録することが大切です。
自分に合う転職エージェントを選ぶことができれば、転職活動もぐっとスムーズになるでしょう。
方法3.ホームページから直接応募する
既に転職したい病院・施設が決まっている場合は、直接応募するのもひとつの方法です。
応募先との連絡や交渉を自分ひとりで行わなければならないというデメリットがありますが、「ここで働きたい」という気持ちが伝わることで先方に好印象を抱いてもらいやすいというメリットがあります。
直接応募する際は、まず転職したい職場のホームページにアクセスして、「求人案内」「採用情報」などのページを確認してみましょう。
募集や採用に関する記載がない場合は、電話で求人募集の有無について問い合わせてみましょう。
方法4.ハローワーク・ナースセンターを利用する
公的機関を通して転職先を探す方法としては、ハローワークやナースセンターを利用した転職方法があります。
ハローワーク | 厚生労働省が運営する公共職業安定所です。全国500ヵ所以上あり、職業紹介をはじめさまざまな雇用支援を行っています。 |
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ナースセンター | 日本看護協会が運営する看護師のための職業紹介サービスです。厚生労働省から指定を受けた「中央ナースセンター」と都道府県から指定を受けた「都道府県ナースセンター」があります。 |
どちらも公的機関が提供しているサービスなので安心して利用できるでしょう。
デメリットとしては、転職エージェントに比べてサポートが薄いということです。
また、入手できる職場情報も多くないので、自分自身で積極的に情報収集を行う必要があります。
方法5.信頼できる人に紹介してもらう
友人、先輩、元同僚、知人などに紹介してもらうのも転職方法のひとつです。
身近に働いている職場なら、外からでは分からない内部情報を知ることができます。
日々の仕事内容や忙しさ、院内の雰囲気、休みの取りやすさなどが分かれば、入職後のイメージがつきやすく転職のミスマッチも少なく済むでしょう。
また、「ちょうど産休に入る人がいる」「これから募集をかけるみたい」など早い段階で欠員状況が分かれば、応募する際もスムーズです。
一方で、紹介してくれた人への配慮から辞退や退職がしづらくなるというデメリットもあります。
また、紹介してくれた人が職場で評判の良い人であれば問題ありませんが、評判の悪い人の場合、自分まで印象が悪くなってしまう恐れがあります。
看護師の転職活動におすすめ!人気の看護師向け転職エージェント3選
最後に、看護師の転職に強みを持つ転職エージェントを3つ紹介します。それぞれの特徴も合わせて解説するので、自分に合ったサービスがあるかどうか、ぜひチェックしてみてください。
ナース人材バンク
【特徴】
- 年間利用者数10万人以上
- 取り扱っている施設形態が豊富
- 地域ごとにキャリアパートナーが在籍
ナース人材バンクは、看護師・看護学生向けメディア「ナース専科」の運営でも知られる「株式会社エス・エム・エス」による看護師専門の転職支援サービスです。
2005年のサービス開始以降、多くの看護師転職をサポートしてきた実績があり、現在では年間10万人を超える利用者数を誇っています。
業界最多の求人情報を取り扱っていて、その数は公式ホームページで公開している求人だけでも7万件にも上ります。
取り扱い職種は「看護師」「准看護士」「認定看護師」「助産師」「保健師」「管理職」の6種です。
施設形態についても、以下のように多岐に渡るので、「看護師以外の職種に就きたい」「病院以外の職場で働きたい」という方にもおすすめです。
看護師専門のナース人材バンクに登録すると、キャリアの相談、応募書類の作成サポートの他、実際に働いている職員の口コミ情報の提供など、幅広いサポートが受けられます。
ナース人材バンクのキャリアパートナーは地域担当制という形を取っていて、地域密着型で情報収集やサポートを行っています。
事前に詳しい職場情報を提供してもらえれば自分に合った職場かどうかをじっくり検討できるので、転職のミスマッチも防げるでしょう。
質の高いサポートを求める方は利用してみてはいかがでしょうか。
レバウェル看護
【特徴】
- 累計利用者数40万人
- 年間4,000回以上の職場訪問を実施
- 入職後の相談も可能
レバウェル看護(旧看護のお仕事)は、「レバレジーズメディカルケア株式会社」が運営する、看護師求人紹介・転職支援サービスです。
業界トップクラスの求人情報を保有しており、求人数は155,176件と非常に豊富です。
以下の表からも分かるように、派遣社員の求人に比べて正社員とパートの求人が多い割合となっています。
雇用形態 | 求人数 |
---|---|
正社員・パート | 142,776件 |
派遣・紹介予定派遣 | 12,400件 |
(2023年2月時点)
公式ホームページでは、雇用形態・エリア・職種・勤務形態・施設形態・配属先・交替制の他、「高給与」「4週8休以上」「土日祝休み」「ブランク可」「未経験可」「研修充実」などの「こだわり条件」からも求人を絞り込んで検索できます。
「転職が初めてでどう選んだらいいか分からない」「今の仕事が忙しくて求人を探す時間がない」という方は、転職サポートの利用がおすすめです。
登録すると、希望条件にマッチした求人の紹介が受けられるだけでなく、公開すると応募が殺到するような人気求人やレアな求人などの「非公開求人」からも紹介してもらえるので、より好条件の転職を目指せるでしょう。
また、職場の内部情報に詳しいこともレバウェル看護の強みです。
医療方針や辞めた人の退職理由など、応募や入職の前にアドバイザーを介して内部情報を知ることができれば、自分に合う職場かどうかを見極める判断材料として役立てることができるでしょう。
さらに、レバウェル看護なら入職後もサポートが受けられます。転職先で悩みや不安を抱えた場合の相談窓口があれば、新しい職場でも安心して仕事を始められるのではないでしょうか。
マイナビ看護師
【特徴】
- 病院以外の求人情報が豊富
- 対面式での面談を実施
- 全国各地に相談会場がある
マイナビ看護師は、「株式会社マイナビ」による看護師専門の人材紹介サービスです。
「看護師」「准看護師」「助産師」「保険師」「ケアマネジャー」などの資格を持つ方々の転職支援を行っており、取り扱い求人の施設形態も以下のようにさまざまです。
この他、一般の看護師に比べて高給与が狙える「トラベルナース」の求人情報も取り扱っています。
また、マイナビ看護師では対面での面談を重視するなど、求職者に寄り添ったサポートにも力を入れています。
「今の職場を辞めるべきか分からない」「看護師としてこの先も働いていくか迷っている」という方でも看護師転職を専門に行ってきたキャリアアドバイザーと直接顔を合わせて会話をすることで、新たな気づきが得られるかもしれません。
マイナビ看護師の相談会場は全国各地に設置されているので、都市部に住んでいる方はもちろん、地方での看護師転職を希望している方にもおすすめです。
【看護師転職Q&A】みんなのよくある質問集
最後に、看護師転職を検討しているみんなが気になっている疑問に答えていきます。
質問1: 看護師として転職する際に、履歴書や職務経歴書にどのような内容を記載すれば良いですか?
回答1: 看護師として転職する際には、履歴書や職務経歴書に以下の内容を記載すると良いでしょう。
- 看護師免許の取得日や有効期限
- 経験した病棟や診療科の詳細
- 担当した業務や症例、特に達成した成果や結果
- 研修やセミナーへの参加経験、資格や認定の有無
- チームでの協力やリーダーシップ経験
- 経験した医療機器や専門的なスキル
具体的な経験やスキルを詳細に記載し、自身の強みをアピールしましょう。
質問2: 転職活動で求人サイトを利用する際、どのようなポイントに注目すれば良いですか?
回答2: 求人サイトを利用する際には、以下のポイントに注目しましょう。
- 職場の特徴や募集条件: 病院・クリニックの規模や診療科、勤務形態、給与、福利厚生など、自身の希望に合致しているか確認しましょう。
- 職場の評判や口コミ: 看護師や元職員の評価や意見を参考にし、職場の雰囲気や働きやすさを把握しましょう。
- 採用条件や応募方法: 応募資格や提出書類、応募方法などを確認し、自身の条件と一致しているか確認しましょう。
- 人材会社の評判や実績: 求人サイトを運営する人材会社の評判や実績を調べ、信頼できる会社か確認しましょう。
これらのポイントを踏まえて、自身の希望条件やキャリア目標に合った求人を選びましょう。
質問3: 看護師の転職時に求められる面接での対応についてアドバイスを教えてください。
回答3: 看護師の転職時の面接では、以下のアドバイスが役立つでしょう。
- 自己紹介: 経歴やスキルを簡潔にまとめ、自身の強みや意欲をアピールしましょう。
- 転職理由: 現職での不満や転職の動機を明確に説明し、前向きな姿勢を伝えましょう。
- ケーススタディ: 実際の症例や業務に関する質問に対して、経験や知識を具体的に説明し、適切な対応策を示しましょう。
- チームワークやコミュニケーション能力: チームで働くことが多い看護師として、協調性やコミュニケーション能力をアピールしましょう。
- 質問の準備: 求められる職場の特徴やチームのカルチャーに関する質問を準備し、積極的に質問する姿勢を示しましょう。
面接では自身の経験やスキルを的確に伝えることが重要です。自信を持ち、準備をしっかりと行いましょう。
質問4: 看護師として転職する際に、新しい職場での適応期間はどれくらいですか?
回答4: 看護師として新しい職場での適応期間は個人差がありますが、一般的には3ヶ月程度と言われています。
新しい環境に慣れるためには、職場のルールやシステムの理解、新しいチームメンバーや患者さんとの関係構築に時間がかかることがあります。
適応期間中は、周囲の支援を受けつつ、積極的に学び、成長していくことが重要です。自身のペースで適応していきましょう。
転職エージェントのサポートを取り入れて看護師転職を成功させよう
看護師は社会に欠かせない重要な役割を担っているので、年齢や地域を問わず高いニーズがあります。
一方で、身体的・精神的な負担も大きい仕事なので、看護師になったばかりの新人看護師だけでなく、40代、50代と年齢を重ねるうちにより働きやすい職場を求めて転職を考える方も少なくないようです。
しかし、看護師の経験や資格があるからと言って必ずしも希望の転職が叶うとは限りません。ときには転職の厳しさや難しさを実感して悩んでしまうこともあるでしょう。
そんなときこそ、看護師向けの転職エージェントを利用してみてください。
看護師の転職に詳しいプロのアドバイスがあれば、転職の不安や疑問をひとつひとつ解決しながら転職活動を進めることができます。場合によっては、看護師ではない他職種に自分に合った働き方が見つかる可能性もあります。
転職エージェントのサポートも上手に活用して、看護師転職を成功させましょう。